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説明の技術

人に説明するって難しい。
自分も人に説明する場面では色々気をつけてはいるものの、やはり改善すべき点は幾つもある。翻って人が自分や、あるいは他の人に説明している場面を思い返すと、勉強になるところもあれば「今のはわかりにくいんじゃ?」「こう言ったほうがいいのでは?」という反面教師的な部分が見えてくることもある。
そういった積み重ねをしていく中で、ある程度自分の中で人に物事を説明する上での技術が体系化できてきた(気がする)ということで、備忘録として1度書き記しておこうと思う。



■「説明」の大原則
人に物事を説明する場面で押さえるべき大原則はただ1つ、聞き手に依存する説明をしないことである。

説明というのはつまるところ話し手と聞き手のやり取りになるので、話し手の説明が無茶苦茶でも聞き手の理解力が高ければ成り立ってしまうということが往々にしてある。が、常に聞き手の理解力が高いとは限らないため、やはり話し手が丁寧に説明するべきなのは言うまでもない。

高校時代の国語教師が「大人が書いた文章を理解して、子どもにもわかるように話せるようになりなさい」みたいなことを言っていたのが結構印象に残っていて(というかこのセリフだけで国語教師志してもいいぐらいのインパクトがあった)、個人的にはこの影響が大きいので、丁寧な説明を心がけるようにしている。

しかし「子どもでもわかるように」だと汎用性に欠ける(基本的に大人としか喋らないのにこの標語では機能しづらい)ので、自分は普段「105%の丁寧さで説明する」ことを意識している。説明が足りないとミスに繋がるおそれがあるが、説明し過ぎはウザいだけで済む。とはいえ丁寧すぎてもダラダラ長くなりがちなので、バランスとしては「105%」がちょうどいいと思っている。



■情報の「差」を理解すること
さて、そもそも「人に説明する」という状況はなぜ起こるのかを考えてみると、取りも直さず「自分が知っていて、相手が知らない情報の差を埋めるため」に説明するのである。

ここでちょっと想像してもらいたい。自分と親しい友人が、別の友人との間で起こった「すごい面白い話」を自分にしてくれているのだが、登場人物が追いきれなかったり、場面や時系列が錯綜していたりでイマイチ面白いポイントに乗りきれなかった…みたいな経験、皆さんにも1度や2度はあるのではないだろうか。

ここで話し手が気をつけなければならないのが、聞き手が何を知らないのかを想像することである。
自分の脳内にある記憶や情報は、基本的には自分にとってわかりやすいように切り貼りされている。例えば友人との思い出なら、その友人の呼称や人となりといった部分は適宜省略されている。しかしそれはあくまで自分にとって最適化された省略でしかなく、聞き手にとって最適化されているわけではない。友人との思い出を人に説明する際には、聞き手が知らないであろうその友人の呼称や人となりなど、省略された文脈を補いつつ追っていかなければならない。あくまで原則は「105%」であって、説明の省略は場面が限られる高等テクニックだという認識を持ちたい。



■説明の省略ー正確さとわかりやすさのトレードオフー
省略は説明不足に繋がるリスクを抱えているが、しかしあえてガッツリ省略した説明をしなければならない場面もあり、それが省略を高等テクニックたらしめている。

例えば英語を勉強していて、"must"という単語と出会った場合。正確な意味を辿っていくと、義務という意味の他にも必然性の高い推量という意味もあるんだなとか、"have to"との違いがどうとか、1つの単語に膨大な時間を割くことになってしまい時間対効果の低下を招いてしまう。

それを見越してかどうかは定かではないが、自分が受けてきた英語教育を思い返すと、まず中学の段階では推量という意味は教えられなかった。つまり説明を省略して、あえて正確でない教え方をしていたということになる。
しかしここで正確な説明をすべきだったかといえばそうとは限らない。まずは不正確な形でもいいのでとりあえず慣れさせ、経験値が溜まってきたタイミングで徐々に正確な説明を付け加えていくというプロセスになっているのである。
これは英語よりも歴史の授業なんかを思い返すと想像しやすいかもしれない。小学校で習う明治維新と高校で習うそれとではどんな人物がどんな動きをしていたかという記述の厚みが違うが、そこでは重要度によって小学校で教えるべき範囲と高校で教えるべき範囲の切り分けがなされている。

授業などのように、1つのテーマについて継続的に説明する機会が設けられている場合には、「とりあえず簡単な説明で流れをつかませる」という手段が有効になる。「よくわからんからドラゴンボールに例えてくれ」でも全然構わない。とにかく聞き手の意識の中に土台をつくり、経験値を溜めさせるのだ。
優秀な人がやってしまいがちな誤りとして、不正確なことを言わないように心がけるあまり、説明が複雑化してしまうというのがあるが、不正確が常に不適切とは限らない。聞き手本位で考えていって、聞き手が理解しやすい流れを見極めることが重要である。

逆に1回こっきりの説明になる場合はどこまで省略すべきかというバランスが難しいが、聞き手が理解できていない説明は説明として失敗しているということを忘れてはいけない。



■空中でプレゼンを描く
よく行き届いた就活教育により「結論から喋る」というのも王道テクニックとして周知されてきた昨今、それが微妙に誤解されて「結論から切り出し始める」というウルトラCをかます人が少なくない。場面や意味合いが多少異なるが、唐突に「例の件ってどうなったの?」から話をし始められ、「何の話をしているんだろうこの人…」となって数秒フリーズすることも…ね…(明後日の方向を向きながら)

結論を先に言って印象づけて、理由の説明を付け加えていく…というのは間違っていないのだが、なぜそういうやり方をするのかといえば、「今からこういう話をします」と宣言することで、聞き手の心構えができるからに他ならない。とすれば、より重要な事は「タイトルや目次」から喋ることだと言える。

ここで以前自分が陸上同好会の卒論発表会というイベントで参考にした見やすいプレゼン資料の作り方というサイトをご覧頂きたい。
この手の話も昨今の就活エリート達にとっては今更だとは思うのだが、例えばp54~56の「目次スライドの挿入」や「現在位置を示す」などはプレゼンテーションを伴わない説明にも応用ができる。まず道筋を示し、聞き手がきちんとついてきているかどうか確かめる。「聞き手がどのように説明を理解していっているか?」を想像しながら、丁寧に丁寧に説明していくのである。
ちなみにP59の「レベルに合わせた情報量」というのは前項の話に相当する。他にも文字の強調などは、声の強調と読み替えてもいいだろう。



■説明の練習とPDCA
みんな大好きPDCA。"回す"って表現がドヤ感あってキツいというのはまた別の話。
1回説明をした/された後には、簡単にでいいので説明の良かった点や悪かった点の振り返りをするのが良い。その地道な積み重ねでしか上達はありえない。

特に気をつけたいのが自分が疲れてるときにした説明だ。経験則だが、疲れてると普段意識してることが抜け落ち、悪癖が出やすくなる。それをきちんと振り返ることで、悪癖(=改善点)を再認識でき、説明スキルの経験値効率が良くなる。

また、反復練習の継続は思考や動作の自動化につながる。みなさんも自転車に乗る練習をし始めたとき、最初はどうやってバランスを取るか考えながら必死にハンドルを動かしていたのが、いつしか何も考えずに乗れるようになり、さらには人と喋ったりスマホを見たり(※犯罪です)しながらでも自動的に自転車に乗れるようになっているという経験があることと思うが、これまで書いてきた説明の技術も、反復練習によって無意識に出来るようになる(ものと信じている)。

最後に個人的な課題を述べると、人に説明しようとする前にいちいち「ああ喋ってこうつないで…」というシミュレーションをしないと話しに行けないというフットワークの重さを治したいなと常々感じている…



少しでも見ている人の参考になれば嬉しいが、もしこの記事自体の説明がわかりづらかったら不徳のいたすところ。やはりまだまだ修行が足りない…
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KANI
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33
性別:
男性
誕生日:
1992/05/11
職業:
学生
趣味:
陸上 ゲーム アニメ
自己紹介:
筑波大学に通っております。
同好会で陸上をする傍ら学業をしています。
スポーツに関わりたいと思いつつどういうアプローチをすればいいのか模索中。
一人でいることが多いですが寂しくなんかないんだからね。

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