幼稚園児の頃か、小学生の頃か、家に大勢のおとなが来て、宅飲みをしたときがあった。
そのとき自分も起きていて、ビーフジャーキーとオレンジジュースでその場に参加していた思い出がある。
タバコの匂い、よくわからない会話、すべてがセンセーショナルで、同い年の漢字混じりの文章を満足に読めないような乳臭いガキどもとの会話とは比べ物にならないほど楽しくて、僕は一気におとなの虜になった。
体だけ大人になった今、自分が生まれた頃に働き始めたようなおとな達と関わるようになって、やはりまだおとなへの羨望というものは大きい。
同い年のガキどもと気の置けない会話をするのもそれはそれで楽しいけれど、やはりおとな達が持つ刺激には敵わない。タバコの匂い、まだ理解しきれない会話、それらがあの情景を思い出させてくれる。
自分もいつかそんなおとなになれるのだろうか。
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