忍者ブログ

B-DIARY

筑波大生のあれやこれ。

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

響け!ユーフォニアムに表れる個と和と調和

2015春クールでもかなりの好評価(当TL調べ)のアニメである「響け!ユーフォニアム」
僕は当初「さすが京アニ貫禄見せますわー」ぐらいの、まぁ京アニなら面白くて当然っしょというちょっと冷ややかな目線で見ていたんですが、ここ最近の盛り上がりっぷりにこれは筆を取らざるを得ないと思い、鉄は熱いうちに叩けということでちょっとした文章をしたためようかと思います。
とは言ってもガッツリ何周も見て心情描写がどうこうみたいなガチ考察は出来てないので、思ったことをつらつらと。
最新話まで見てる人向けに書くのでその点はご容赦ください。



■個と和の二項対立
高校の吹奏楽部が舞台のこのアニメ。序盤はまじめに練習しない先輩方に主人公たち1年生組(ここでは久美子、葉月、緑輝、麗奈の4人をこうまとめます)が戸惑うという描写が多く、高校時代の黒歴史を掘り返された元吹奏楽部ついったらーが蠢いていました。部活でもネトゲでもカードゲームでも「ガチ/カジュアル論争」みたいなのはあるんですねー。
その中で1人気を吐くのが高坂麗奈。"1年生のくせに"圧倒的な演奏力を持つことで孤立を極めていきます。
しかしその後部活が全国大会を目標に動き出すことで、高坂さんがむしろあるべき姿として捉えられ、うまいことまとまっていき…と思ったらソロパートを決めるオーディションでまた一悶着あって…
なるほど、「響け!ユーフォニアム」というアニメは本来調和しなければ成り立たない吹奏楽を題材として、個と和の二項対立から生じる不和をコントラストとして描いて展開していくんだな、というのが見て取れるんじゃないかと思います。不和を乗り越えて調和に向かう、概念が対極にあるので入ってきやすいですね。



■和と調和の誤解
部が全国大会に方針を定めた直後や、オーディションで疑惑が立ったとき、部の中にはなんとなく上手い人や頑張る人へのルサンチマンが蔓延していました。特にオーディションのときには緑輝も「高坂さんがソロを降りることで部がまとまるならそれもいいんじゃないか」という趣旨のセリフを言います。
しかしこれは馴れ合い・低め合いの和であり、調和とは呼べません。One for All, All for Oneというのは、個々が最大限力を発揮することで、それが乗算されて大きな成果を生み出すという意味であって、決して誰かが躓いても他の誰かが助けてくれることに甘えて頑張らない理由を作るものではありません(っていうのが最近TwitterでRTされまくってた気がする)。出る杭を打った低い横並びじゃなくて、個々が際立った末の高い横並び、みたいな。
慣れ合いの和を脱し、真に調和がとれた吹奏楽を志向しているキャラクターが、顧問として導く立場にある滝先生、そしてあすか先輩です。
あすか先輩が個と和の対立という事柄について「徹底的に中立」なのは、調和という別のベクトルを志向しているからで、だからこそ香織先輩と麗奈のどっちがソロを吹くかという話も「心の底からどうでもいい」のだと思います。おそらくですがあすか先輩にとって一番大事なのは調和のとれた吹奏楽であって、それには「3年間一緒に部活を頑張った仲間」すらも割り切れるのではないか、この辺りが心情が見えづらくてつかみ所のないキャラクターとして映ってしまう要因かなという気がします。



■各キャラの役割
個と和と調和、なんとなくこの3属性にキャラも分かれている気がします。
先述の滝先生とあすか先輩は調和のキャラですね。彼らは盲目的なまでに音楽に執着し、人間模様には無頓着。滝先生はそれが不和の原因となって松本先生に諭されるなんて場面もありましたが、あすか先輩の方はというと他の部員とは一線を画したような扱い。
部長を始めとした吹奏楽部の(モブ)キャラたちは和のキャラ。しかしこれはいわゆる部活動に典型的な青春とか思い出を重んじてるという面ではある意味感情移入しやすいとも言えます。
主人公組を見ると、緑輝だけは和に属している感じですね。先述のセリフ然り。主人公に近い位置にこういったキャラがいることも大事という気はします。
葉月は難しいんですが、作中では珍しい非経験者という立場から「吹奏楽部的文脈で物事を考えないキャラ」として捉えることが出来るんじゃないかなと。そこに1年生で入学以前のいざこざにも明るくないという立場が相まって、吹奏楽部内の和のしがらみに囚われずに麗奈を評していたりという一面も見られます。まぁあと高校生らしいネタを提供したりとか?
麗奈は個のキャラ。プライドの高さも相まって、孤独になったとしても個として毅然と立つことが調和へとつながると信じて疑わないキャラという風に見えます。実際には個と和というところで対立をもたらしているのですが、それも必要悪ぐらいに捉えているのかも。
そして久美子は中学時代の事件から和に属するような態度を取っていたけど、8話の麗奈との会話で麗奈と同様の志向性に目覚めたというキャラですね。主人公だし属性が固定されていないことに意味があると思います。
麗奈は久美子に「性格悪いね」と言いますが、これは久美子は本質的には吹奏楽部的な和に属するような性格ではないことを見抜いていたからのことなのかもしれません。



■再びガチ/カジュアル論争
吹奏楽部そのものは、春先のミーティングで「全国大会を目指す」という目標を立て、それに向けて日々邁進しています。
しかし部員個々のミクロな心情としては部活動的な青春も自らの糧であって、滝先生やあすか先輩が志向するような「真に調和がとれた音楽」よりも「みんなと過ごした時間」の方が大事だったりするわけで。
話の流れとしては部員はガチ志向に流れていっている感はあります。しかしそう両極端に割り切れないのも事実で、再オーディションの最終決定でほとんど拍手が起こらなかったのは、実力がある麗奈か3年間の思い出がある香織先輩かを決めあぐねていたからではないかと思います。そこで滝先生は香織先輩の口からけじめをつけさせて、全国大会を目指すという一貫性と、真に調和がとれた音楽を守ったのではないかなと。とはいえそれでもミクロなわだかまりはゼロにはなりません。
部活動的な青春から生まれる様々な葛藤と戦い、それでも真に調和がとれた音楽を目指していく、でもやっぱり完璧にはいかなくて、そんな不完全さも高校生だよね、そんな中にあって、久美子と麗奈のやり方の是非やいかに!みたいな、感じに、まとまっていくんじゃ、ないですかねぇ。

以上、見る人が見たら今更な話を長々と書いてしまいました。
いずれにせよ最後まで目が離せません。
PR

COMMENT

NAME
TITLE
MAIL(非公開)
URL
EMOJI
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
COMMENT
PASS(コメント編集に必須です)
SECRET
管理人のみ閲覧できます

カレンダー

08 2025/09 10
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30

カウンター

プロフィール

HN:
KANI
年齢:
33
性別:
男性
誕生日:
1992/05/11
職業:
学生
趣味:
陸上 ゲーム アニメ
自己紹介:
筑波大学に通っております。
同好会で陸上をする傍ら学業をしています。
スポーツに関わりたいと思いつつどういうアプローチをすればいいのか模索中。
一人でいることが多いですが寂しくなんかないんだからね。

リンク

アクセス解析

ブログ内検索

カテゴリー

最新CM

[04/17 NONAME]
[12/21 KANI]
[12/05 200]
[04/03 ながれ]
[04/03 KANI]

バーコード

Copyright ©  -- B-DIARY --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]