いい走りが出来た時、自分は「魂を削って走った」と表現してきたんだけど、
そうやって走って、トルソーの勢いのまま、倒れこんで心臓も止まるような、そんな走りがしたいっていう憧れがあった。いつからかはわからないけど、割と長いこと。
明日に控えた最後のクラ対、隔週で来週は200mもあるけど対抗110mHが明日だからまぁ明日が実質最後みたいなもんで、色々と思い返す事はある。
今シーズン1年分とか、大学生活4年分とかではなく、競技生活16年分。
親に大会に連れて行かれて、
走る姉と兄を見て育ち、
近所の公園から始まった、
ドリルが上手だとほめられた、
8レーンの先にある1本だけ葉の色の違う木、
初めて全道を決めたときの喜び、
転んで骨折したりもした、
色んな種目を転々とした、
駅伝なんかも助っ人借りてまで走った、
高校から初めて土グラウンドで練習するようになって、
怪我で走れなくても陸上のことを考えてしまい、
高校最後の大会を僅差で支部予選落ちし、
大学陸上の競技レベルの差に絶望して、
それでも別の道で走ることを選び、
ブロック長までやって、
そして今。
好きだから走った。というのは半分で、実のところ、失うことが怖くてやめられなかったのがもう半分。
情けないことだけど変わるのが怖かった。というか今でも怖い。
「これが競技生活の最後」という人を見て、残念に思った。というのも半分で、羨ましいと思うのがもう半分。
俺も「最後」って言いたい。これっきり、もうやらないって。
来年結果的にどうしてようと知ったことじゃない。自分の陸上のあり方が競技成績と違った次元の美学的な何かにあるとかそんな話もどうでもいい。
とにかく今、16年かけて辿り着いた今、自分の持てる全てをトラックに置いて、魂さえも置いて、競技者としての自分を殺そう。
いつかじゃなくて今、最高のレースをしよう。
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