筑波大記録会に出ました。
北海道民的には10月上旬とは思えない暖かさの中で、近くから声援を受けて気持ちよく走れました。
400mH:58"06
ということで、ベストをおよそ2秒更新しました。
しかしこれほど悔しい自己ベストというものもないです。後輩に勝ちたかった。10傑に入りたかった。とにかく57秒台出したかった。贅沢な悩みなのかもしれませんが。
6台目ぐらいまでは調子良かったです。練習だと6台目の15歩がキツいときがあるんですが今日はスムーズにいけてました。むしろ1台目22歩が若干詰まり気味にも感じてはいるのですが、これは今年度中は弄る必要はないかなと考えています。歩数があわなくなるリスクの割にタイム的なリターンが少ないと。
7台目、逆足になる所で浮いてしまい、かなり減速してしまいました。ここに0.07秒では済まされないロスがあったので、決定的な敗因は7台目だったと言えるでしょう。
しかし、僕が今回一番重点的に見なおさなければならないと考えているのは9・10台目です。ここは特に大きな失敗と呼べるものはなかったのですが、これから先タイム短縮を狙う上で非常に大きな意味を持っているのがこのホームストレートの2台です。
その前に少し400mHの種目特性みたいなものを話しておきたいと思います。あくまで理屈こねてあーだこーだしたい感じのハードラーの話なので、もっとなんか本能的に走れる人には合わないかもしれません。でもそういう走りもまた魅力だとは思います。
1つ目にフラットの400mと比べて400mHは「歩数を守ればいい」と言われます。フラットの400mは前半・後半のエネルギーバランスを「突っ込む」とか「溜める」みたいな漠然とした表現に頼らざるを得ないのに対し、400mHは歩数という確実なものをキッチリ守ればペースも一定のものを保てる、と考えられています。
ある程度まではその通りなのですが、一定のレベルになると歩数を守るということのほうが難しいことに気付かされます。というのも、歩数ばかりにとらわれると走りのペースそのものに意識が回りにくいので、フラットの400mではありえないようなペース配分をしてしまったり、練習のなかで改善すべき点に気づきにくくなってしまうのです。また走りは体調や気象条件にも左右されるので、無理に歩数を守ろうとするあまり走りが崩れてしまうこともあります。時には歩数が合わないことが精神的なダメージになってまた崩れるという悪循環も…このように歩数が縛りとなることも多々あります。
2つ目に400mHには何歩でインターバルを走るかという計画を立てること、その計画を本番で柔軟に対応させること、という2要素が「実力」という言葉の範疇に含まれるというものがあります。まず自分の走力を正しく知り、それに見合った歩数計画を立てなければなりません。そして基本的にはそれを気象条件や体調に関わらず忠実に再現しなければなりません。しかしあまりにも風が強い時や、思った以上に自分のペースがいい時に歩数を変えるなどといった土壇場での対応力も求められるのです。
そういった点を踏まえて今回の9・10台目を振り返ります。事前の計画ではどちらも17歩でいくことになっており、本番でもその通りに走れました。しかし17歩にする上でハードルの直前で歩数合わせのためにちょこちょこ走ってる所があって、これが大問題なんですね。
400mランナーが400mHに転向してよくあるのが走る区間とハードリングをはっきり区別するというもの。ハードルの直前で合わせて、よいしょっと跳んで、インターバルを走力にまかせてガーッと走る。走りとハードリングの間に減速と再加速というプロセスが必要になるのでタイムもエネルギーも大幅にロスします。見た目も悪いし、400m速い人だとこれでもそこそこのタイム出しちゃったりしてタチが悪いので僕はコレが好きではありません。400mの走力がない分を技術でカバーしてフラットで速い人に勝つのもまた醍醐味です。
とかなんとか言って、今日の自分の9・10台目はこういう走りをしてしまったんですね。ラストスパートが意外にかけれたことから、やろうと思えば16歩でもクリアランス出来たはずです。それは自分の走力を見誤ったことや逆足ハードリングの自信のなさから適切な計画を立てられなかったこと、また本番で臨機応変に対応出来なかったこととして、自分の実力のいたらなさと解釈することができます。
まぁ今回は初戦ですので、これから反省してクラ対にむけて改善していけばいいんですが、9・10台目最大の障害は「練習ができないこと」なんです。第4コーナーがホームストレートのスタート位置と被ってしまうため、短距離の練習とぶつかってしまうのです。それに9・10台目を置けたとしても、そのために前段階として跳ぶ8台があまりにも無駄が多い。何に重点を置いた練習なのかがうやむやになってしまう恐れもあります。
一応9月のいつぞやに後半を意識した練習として100m+200mH(6台目まで)×3(R=10min.)というのをやりましたが、もう少し改良しながらやっていく必要がありそうです。
ともあれ、ようやく400mHの自己ベストから5桁目をぶっ飛ばすことが出来ました。
また今シーズンはこれまで4月のT.Tを除いて走るたびに自己ベストの連勝記録を更新しております。タイム的にも一応一端の陸上選手らしくはなってきたのかなぁとは思います。
残す大会はクラ対のみ。理想は予選を今日より少し遅いぐらいで「流して通過」すること。そして決勝で再度ベスト更新を狙います。残り1ヶ月半、今年は56秒台まで見据えていこうと思います。
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